皆さんこんにちは!アポクリン党のyouです☀
昨日の記事で、「コストカットで犠牲になったひとつに、内装の質感が挙げられる」と書きましたが、今回はこの「内装の質感」について深堀りしたいと思います。
昨日の記事の続きのような形になりますが、さらに掘り下げた内容にしていこうと思うので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
昨日の記事はこちら↓
目次
車としての質感について
そもそも、今の日本車は車としての質感はどうなのでしょうか?
答えは、この10年で飛躍的に向上したと言って間違いないでしょう。
新しいエンジン、トランスミッションや軽くかつ強靭なボディの開発等、各メーカーは幅広い分野で研究開発を続けています。
最近特に驚いたのは、スズキのアルト(8代目)が発表された時です。650kgというありえないほど軽い車重を聞いたときは何かの間違いだろうと思いました。実際に、スズキのディーラー整備士をしている叔父に聞いたところ、「俺もなぜこんなに軽いのか意味が分からない」と言うほどでした。
とにかく、日本のみならず世界中のメーカーが開発にしのぎを削っていることは事実です。しかし、どこかでしわ寄せが寄ってくるのもまた事実でしょう。そこで考えれられたのが、内装をコストカットするということです。
内装の質感の変化
さて、ここからは昨日の記事でも触れた「内装の質感」について深堀りしていきたいと思います。
①見栄えは良いが…
一昔前と比べると、確かにぱっと見は内装も良くなっているように感じます。
しかし、よくよく目を凝らしてみてみると、革のステッチのように見える部分が樹脂で形成されていたり、実際に触ってみるとソフトな感触が一切ない、ただの樹脂だったりします。
例えば、上の写真はトヨタのルーミーの内装になりますが、助手席エアバック下及び運転席のメーターフードに見られる革のステッチのような造形は、全て樹脂で形成された部品です。
手触りもただの樹脂なので、そこまで割り切るならいっそ下手に高級感を出さなくてもいいのではと思ってしまいます。(そもそも、高級感を出したいという思いはないのかもしれませんが…)
②部品の流用について
また、室内の造形は車種ごとに違うものとなっていても、スイッチ類やハンドルといった部分は流用していることが多いです。
上がクラウン、下がカローラの写真になります。
ステアリングハンドルに注目してみてください…
スイッチ類の場所や形が全く同じですよね
クラウンとカローラでは顧客層も価格も全く異なります。かつては「いつかはクラウン」と言われていたほど、クラウンという車は特別な車です。
なのに、運転手が一番手に触れる部分がグレードの低い車と全く一緒で良いのでしょうか?(カローラに乗られている方、ごめんなさい。)
たまたまカーセンサーを眺めていた時に気づいたことなのですが、これにはびっくりしました。もし自分がクラウンに乗っていたら、売却を考えるくらいい嫌な感じがします。何ならカローラに乗り換えるかも…
お金がないので夢の話ですが、いくら何でもこのような形でコストカットするのはずるいような気がしてなりません。
日本人が車に求めるものとは
しかし、先述した内容のようなコストカットをメーカーが行っているということは、それだけ日本のモータリゼーションが変化してきていることの表れなのかもしれません。
かつて、280馬力の自主馬力規制がかけられるほど、車としての性能が求められていた時代がありました。それが、バブルの崩壊とともに経済的な車が求められるようになり、今度は環境にいい車こそ至高と言われるまでになりました。
そう考えると、この30年で車を取り巻く環境はどんどん変化してきていると考えられます。
高出力のエンジンが求められる時代から、より環境に良い、必要十分な性能のエンジンが求められるような時代へと変わり、つい最近まではエンジンそのものが消えてしまうのではないかとも言われてきました。
結局、内燃機関の開発はこれからも続けられるということですが、それも結局のところはどうなるのかは分かりません。認証試験の問題から、日本のメーカーは海外で研究開発から製造販売を一括で行うようになるかもしれません。
日本の認証試験は、国内メーカーにとってかなり負担が大きいようですからね…。輸入車の方がよっぽど基準が緩いようです。そうなると、海外で生産して日本に輸入した方が採算が取れます。
実際、すでに海外で生産されて日本に輸入して販売されている車も少なくありません。ホンダの「WR-V」はタイで開発され、インドで生産されている車ですし、スズキが今度販売する「フロンクス」もインドで生産されます。外装や内装がどことなく日本車離れしているのも納得がいきます。
↑インド生産のWR-Vはハイブリッドモデルがないのも特徴
↑WR-Vと同じくインド生産となるスズキ・フロンクス
しかし、そのような車も実際に売れているのが事実です。要は、「しっかり走ってくれて流行に乗ったデザインならそれでいい」という考えに変わってきているような気がします。
要は、「性能よりも使い勝手や流行に乗っているのが一番」と言えるでしょう。(その流行を作るのも自動車メーカーですが…)「流行」には、昨今言われている「SDGs」にもあるように、電動化もこれからの時代では当たり前になりますし、今後も日本のモータリゼーションは目まぐるしく変化していくものと思われます。
もはや、誰も内装を気にしていないのかもしれませんね…
それよりもいかに流行に乗り遅れないようにするかが、メーカー側と我々消費者側の双方にとって大事な事なのかもしれません。
まとめ
さて、「内装の質感」から「日本のモータリゼーションについて」という、かなり飛躍的な内容になりましたが、いかがだったでしょうか?
かつて、BMWの135iや335iに乗っていた時のことを振り返ると、もちろんソフトウェアの面では今の車には叶いませんでしたが、シートの革の質感やパネルの美しさは所有欲を高めてくれたことを思い出します。また、NB・NAロードスターに乗っていた頃は、余分なものが一切なく運転に集中できる、シンプルな内装だったのが印象深いです。
要は、その車にどのようなキャラクターを求めるかということだと思います。高級車ならその分内装に力を入れて、所有欲を満たせるような演出が必要でしょう。また、道具として使うことを想定した車なら、書類や道具類を収納しやすいように、使い勝手や収納スペースを多くとる必要があります。
色んな人がいるように、色んな車があります。
しかし、一定のラインは引かないといけないと思います。高級車なら高級車らしくあるべきですし、大衆車なら使いやすさを前面に出さなければいけません。そういった中で、目に付くような部分の共有化はあってはならないと思います。
これからの日本車の質感のさらなる向上を期待します!
というわけで、今回はこの辺で。
バイバイ!